日本小児血液学会雑誌
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マススクリーニングで発見されN-myc遺伝子増幅を認めた神経芽腫の1例
吉本 寿美橋山 元浩足立 尚登
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2003 年 17 巻 6 号 p. 477-480

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抄録

今回われわれは, マススクリーニング (MS) にて発見され, N-myc遺伝子増幅を認めた神経芽腫の7カ月の男児例を経験したので報告する.MSにて尿中VMAとHVA高値を指摘され, 精査の結果神経芽腫stage1と診断された.腫瘍全摘後, N-myc遺伝子が40倍以上と増幅しており予後不良と予想されたため化学療法を行う予定であったが, 両親の同意が得られなかったため, 無治療にて経過観察することとなった.その後, 退院して4カ月後に右眼球突出, VMA, HVAの高値, 骨髄転移を認め, 再発と診断し化学療法を開始し, 造血幹細胞移植を計画中である.MS陽性例におけるN-myc遺伝子増幅例はまれであるが, これまでの報告例などとあわせて考えると, 造血幹細胞移植のような強力な治療を行う必要があると思われる.

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