日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
Print ISSN : 0913-8706
ISSN-L : 0913-8706
Thiopurinesの細胞内活性化代謝産物に関する研究
落合 秀江東川 正宗大久保 俊樹川崎 肇神谷 斉桜井 実
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 2 巻 1 号 p. 61-67

詳細
抄録
6-MPと6-TGは急性白血病の治療によく用いられるが, その薬理学的な機序について十分な知見を得られていない.ML-1細胞とCCRF-CEM細胞を用いていかにして6-MP, 6-TGが細胞毒性を呈するのかを明らかにするためにHPLCを用いてthiopurinesの活性化代謝産物を分析した.抽出はTCAで行い, freon-alamineで中和した.6-TGの活性化代謝産物はthio-GMP, -GDP, -GTPであり, 6-MPのおもな活性化代謝産物はthio-IMPと考えられた.6-TGはpurine pathwayを阻害するだけでなくDNA合成になんらかの影響をあたえることも考えられた.6-MPは濃度を10-4Mにまで上昇させてもthio-IDP, -ITPは検出できなかったことから, おもにthio-IMPがpurine pathwayを阻害し細胞毒性を呈すると考えられた.
著者関連情報
© (社)日本複写権センター
前の記事 次の記事
feedback
Top