日本小児血液学会雑誌
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下部馬尾神経半側症候群にて発症し仙骨部に腫瘤形成をみた急性骨髄性白血病45, X, -Y, t (8; 21) の一例
毎原 敏郎秋山 祐一久保田 優三河 春樹
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1988 年 2 巻 2 号 p. 182-189

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抄録
われわれは, 左臀部から左大腿部にかけての疼痛・知覚低下と尿・便失禁にて発症した11歳男児の急性骨髄性白血病 (AML, FAB分類M2) の一例を経験した.CTおよびMRIにて第2仙椎部に腫瘤形成が認められ, これがその下部馬尾神経半側症候群の原因であると考えられた.骨髄細胞の染色体分析ではFAB分類M2に特徴的とされる8;21転座とY染色体欠失が認められたが, 最近の報告によるとこの8;21転座とAMLの腫瘤形成性との間には密接な関係があるとされている.AMLが仙骨部に腫瘤を形成し症状を呈することはまれであるので, 8; 21転座, Y染色体欠失とAMLの腫瘤形成性との関係についての若干の文献学的考察を加えて報告する.
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