抄録
小児の中等症ないし重症再生不良性貧血40例のAL (T) Gによる治療効果を研究した.特発性32例, Fanconi貧血1例, 二次性3例およびPRCA4例である.39例にALGを, 1例にATGを投与した.AL (T) Gは20~40mg/kg/日を5日間投与した.重症9例と中等症1例ではmethylprednisolone大量を同時併用した.3ヵ月以内に, 重症25例中6例, 中等症10例中1例に完全または部分寛解が得られた.推計学的には, AL (T) G単独例とmethylprednisolone大量併用例とで, 有効率および生存率に有意差はなかった.PRCAの1例に一過性の改善が得られた.AL (T) G投与前後のCD4, CD8およびCD4/CD8比は臨床効果と相関しなかった。合併症は少なく, 軽熱じんましん, 発疹および糖尿などであった.骨髄移植ができない場合に, 重症小児再生不良性貧血の治療にAL (G) Gとmethylprednisoloneの同時併用を考慮すべきである.