日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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初診時から著明な骨髄線維化とともにトリソミー8がみられ, 10カ月後にAMMoLと診断した一例
河内 暁一葛西 幹雄須藤 善雅伊東 亮助斉藤 俊光宮野 孝一佐藤 雄一横山 〓
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1990 年 4 巻 1 号 p. 62-68

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抄録
11歳女児が顔色不良と易疲労感を訴え受診した.理学的所見では肝脾腫, リンパ節腫脹はみられず末梢血では著明な貧血があるものの血小板数, 白血球数とその分画は正常であった.骨髄穿刺はdry tapであり骨髄生検にて赤芽球系の著明な抑制と骨髄巨核球の軽度の増加がみられ顆粒球系は正常であった.芽球は5%以下であった.その他末梢血の染色体分析にてトリソミー8が認められた.急性骨髄線維症の診断のもとに主に保存的に経過を観察した.副腎皮質ホルモン, 蛋白同化ホルモン投与は無効であった.10ヵ月後末梢血に幼弱芽球が出現した.細胞生化学, 免疫学的および電顕による検索により急性骨髄単球性白血病と診断した.
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