日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
Print ISSN : 0913-8706
ISSN-L : 0913-8706
小児悪性腫瘍治療に伴う好中球減少状態におけるaztreonam (AZT) の予防的静注効果の検討
封筒法による非投与群との比較
秋山 祐一久保田 優笠井 康史橋本 尚子三河 春樹筒井 孟山本 初美西川 厚登 美小林 陽之助林寺 忠西角 淳竹下 茂夫山内 順子渡辺 寛田中 晴樹長藤 洋島川 哲郎鳥居 昭三末広 文彦藤本 洋文赤石 強司坂口 千晃石上 毅瓦野 昌治奥村 光祥松尾 直光小林 裕堀 了平
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 5 巻 1 号 p. 20-25

詳細
抄録
小児悪性腫瘍における好中球減少状態の患者に対し, 予防的にaztreonam (AZT) を静注することにより感染症の予防効果を封筒法により非投与群と比較検討した.AZTは80~100mg/kg/日を好中球250/μl以下でかつ発熱していない患者に投与した.AZT群44例, Control群44例であり, 各群の基礎疾患はAZT群 (造血器腫瘍27例, 固形腫瘍17例), Control群 (造血器腫瘍22例, 固形腫瘍22例) であった.予防有効率はAZT群72.7%, Control群50.0%で, AZT群に有意の予防効果がみられた (P<0.05).好中球最低値別の予防有効率は10/μl未満でAZT群66.7%, COntrol群36.4%, 10~50/μl未満でAZT群66.7%, Control群50.0%, 50~250/μlでAZT群100%, Control群80.0%であった.副作用は認められなかった.これより好中球数が50/μl以下になる症例に対しては予防的にaztreonamを静注することの有用性が示唆された.
著者関連情報
© (社)日本複写権センター
前の記事 次の記事
feedback
Top