日本小児血液学会雑誌
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6;9転座を示し, 末期に著明な低リン血症を伴った急性骨髄性白血病 (FAB-M1) の 1例
山谷 眞己洲崎 健窪田 博道
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1991 年 5 巻 2 号 p. 206-211

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抄録

t (6;9) (p23;q34) の染色体異常を有し, 末期に著明な低リン血症を伴った急性骨髄性白血病の13歳男児例を報告した.発熱と右股関節痛を主訴として受診し, 初診時の末梢血白血球数は35,300/μlで芽球が92.5%認められた.骨髄有核細胞数は46,300/μlで芽球が88%認められ, 細胞組織化学的検索にてFAB分類のM1と診断した.骨髄細胞の染色体検査で分裂像の得られたすべての細胞にt (6;9) (p23; q34) を認めた.各種化学療法により寛解導入を試みたが治療抵抗性であり, 寛解導入できないまま全経過5ヵ月で死亡した.本例の経過中, 末梢血の好塩基球増多と, 末期に血清および尿中リンの著明な低下を認めた.文献報告例との対比により, 本例でみられた6;9転座型白血病の臨床的特徴と, 経過中にみられた低リン血症につき検討を行った.

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