抄録
急性白血病患児8例に対し, Cy-TBIないしはBuCyにAra-CおよびVP-16の大量を加えた前処置により, 同種骨髄移植を行った.移植時の状態は初回完全寛解3例, 第2寛解期2例, 第3寛解期, 早期再発, 初回移植後の再発期各1例である.早期再発期に移植を受けた症例は, 初回移植3カ月後に同一ドナーより第2回目の移植を施行した.主なregimen-related toxicityは口内炎, および消化器症状であった.2度以上の急性GVHDは2例に見られ, 内1例が4度の急性GVHDにcytomegalovirusによる肺炎を合併し死亡した.第3寛解期および再発時に移植を施行したALL2例で再発し, ともに原病のため死亡した.他の5例は移植後83+から110+週無病生存中である.Ara-CおよびVP-16の大量療法を含む同種骨髄移植の前処置は, 安全に施行可能であり, かつ小児の急性白血病に対し有効性が高いと思われた.