抄録
Common ALLの5歳男児の初回寛解導入療法中に, 肺真菌症と真菌性巨大脳膿瘍の合併がみられた.AMPH-B静注にて肺病変は消退したが, 脳病変には改善がみられず, 後頭葉切除術により膿瘍を切除した.切除標本よりAspergillus が同定された.この間のALL治療は, 変更されながらも継続でき, 3年9カ月後に終了した.その後さらに1年4カ月経過したが, ALL, 真菌症ともに再発はみられていない.この症例のように進行した形で発見され, 保存的療法では難治の深在性真菌症に対しては, 積極的に外科的治療を考慮すべきである.