抄録
Ifomide (IFO) /cyclophosphamide (CPM) 化学療法施行症例 (135例) と, IFO/CPMが前処置に使用された骨髄移植症例 (73例) の, メスナ併用時の尿路毒性出現頻度とメスナの副作用について調査した.メスナ併用時のIFO化学療法症例 (延べ161コース) での (a) 全血尿 (肉眼的血尿), (b) 膀胱刺激症状の出現頻度は, 各々 (a) 8.7% (2.5%), (b) 5.0%.同様にCPM化学療法症例 (延べ165コース) では, 各々 (a) 4.2% (0%), (b) 0.6%であり, IFO投与例での頻度が高かった.骨髄移植症例では各々, (a) 29.2% (16.7%), (b) 18.1%と, 高頻度に血尿がみられ重症例が多かった.いずれもメスナの相対的投与量が比較的少ない場合 (80%以下), 出血性膀胱炎の頻度は高かった.メスナ投与に伴うアレルギー反応は1例も認めず安全に投与可能であった.メスナは出血性膀胱炎予防に対し従来より有用な薬剤とされているが, 骨髄移植ではメスナの投与量, 投与方法の再検討に加え, 支持療法の強化も必要と思われた.