2018 年 2 巻
学習成果基盤型教育に基づいた改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムの下で行われる実務実習では,学習者のパフォーマンスを評価する必要がある.しかし学習者のパフォーマンスの測定は,薬学教育全体が経験不足である.本研究では,服薬指導におけるパフォーマンス評価を試行するため,滋賀県薬剤師会と連携し,Rubricを用いて実務実習の場で評価を行った.服薬指導のパフォーマンスの測定を,実習4週目,8週目,11週目に行ったところ,6つの観点の全てにおいて実習が経過するに従い測定値の上昇が見られた.また,評価を行った薬剤師にRubricに関するアンケートを実施したところ,「印象」「適切性」「わかりやすさ」「能力の評価」「客観性」などの項目で従来用いてきた評定尺度よりもRubricに肯定的な意見が多く見られた.「評価者の負担」はRubricと評定尺度がほぼ変わらない結果が得られた.