2020 年 4 巻 論文ID: 2020-039
基礎学力向上を目的とした有機化学の予習動画を用いた講義型補講と問題演習型補講を実践し,各補講の教育効果を評価した.補講前の成績により学生を四分位で成績上位から第1~4群にわけた.その各群を,さらに補講受講者と非受講者に分類し,補講後の成績を比較した.予習動画を用いた講義型補講では,第3群で受講者の成績が非受講者より良好であった.また,予習動画を用いた講義型補講について実施したアンケートより,停止,巻戻し機能等の動画の特性を生かした語句があったことから,学生の理解度に応じた学習が個々に行われたことが考えられた.問題演習型補講では第2群で受講者の成績が非受講者より不良であったことから,この群では補講を受講せずに自己学習をした方が有効であったことが示された.本研究では,補講の学習方略や補講受講前の成績によって,得られる学習効果は異なることが明らかとなった.