2021 年 5 巻 論文ID: 2020-050
著者の所属する薬科大学を含む国内の多くの大学では,コロナ禍で急遽実施されたオンライン講義の準備不足によりコミュニケーションや教育上の問題が発生した。教員は教科書に基づいた内容を一方的に視聴させる形式をとりがちになり,その結果多くの学生がやる気を失い,学習成果の乖離と教育/学習バランスの不均衡につながった。この状況の解決策は,教員と学生が頻繁にコミュニケーションを取り情報を交換するための定期的なオンライン評価の実施だと考える。著者が担当した英語コミュニケーションクラスでは,教員が様々なオンラインのプラットフォームやアプリを介して課題やミニテストを実施した。学生は入力のみでなく音声でも課題を提出し,評価は得点のみでなく個別のコメントでも行った。これらの形成的および総括的な評価戦略は,教育/学習のバランスを維持しながら,オンライン講義への学生の参加率を改善した。