2022 年 6 巻 論文ID: 2022-018
COVID-19流行下では対面講義からオンライン教育への移行が見られた.本研究では2020年にオンデマンド講義として開講した薬物治療学IIを対象に,学生の課題取り組み時刻と当該科目の試験成績との関係性について検討し,学生の時間管理についての評価を行った.対象は139名の薬学3年生で,Google Formsを介して出された課題に対し,学生の課題送信履歴からその課題に取り組んだ期日と時刻を抽出した.その上で試験成績と課題に取り組んだ期日や時刻との関係性を検討した.その結果,締め切り日に課題を提出した学生の課題提出時刻は遅く,試験成績も低かった.また課題を初日に提出した学生の中で,科目開講時刻から近い時間帯に課題を提出した学生の試験成績は高かったが,開講時刻から離れた遅い時刻に課題を提出した学生の試験成績は低かった.これらの結果から,一部の学生はオンデマンド講義に対する時間管理に問題があり,学習理解度に影響を与えている可能性が考えられた.