2023 年 7 巻 論文ID: 2023-010
慶應義塾大学では,4年次の実務実習事前学習のセルフメディケーション実習に実務実習を修了した6年生が準備・実施に関与している.これにより,下級生の実践的な実務実習イメージの形成に寄与するだけでなく,上級生自身にも実務実習の振り返りや知識の再確認を促すなど,双方への学修効果が期待される.本研究では,4年生に対して実習前後に,6年生に対して実習後にアンケート調査を実施した.その結果,4年生は6年生が実習に関与することで,実践的な経験を積むことができ,実務実習のイメージや将来の自分像の形成および知識の理解が深まるなど様々な学修効果があったことが明らかになった.また,6年生自身も来局者役の立場を経験することで,来局者の心情を理解すると共に,内省を深め,自身の実務実習を振り返るなど学修効果があったことがわかった.