薬剤師に求められている職能の変化を受け,薬学生は様々な知識を関連づけて学び,活用する能力を養う必要がある.帝京大学薬学部では,薬学基礎から薬学臨床の内容を関連づけ統合的に理解することを目的として,2020年度6年生前期にオンデマンド形式による分野横断統合演習を実施した.受講生の到達目標自己評価(48項目)は,全ての項目で授業後に有意に上昇した.授業後アンケートの「理解の深まり」と「満足度」の評価が高い学生のグループは,定期試験平均得点率も有意に高かった.授業を受けた感想から,本科目は個人学習による理解を深める効果や自主的な共同学習を促す効果もあったと考えられた.今回実施したオンデマンド形式の授業による分野横断統合演習は,教員側が段階を踏んだ課題提示を行うことで,学生に自主的な学習を促すことができ,「理解の深まり」と「満足度」および定期試験の結果から効果的なプログラムである可能性が示された.