薬学教育
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低学年次成績データを用いた薬剤師国家試験合否予測のためのランダムフォレストによるモデル構築と予測因子の探索・予測精度の評価
松延 千春白谷 智宣窪田 敏夫
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2025 年 9 巻 論文ID: e09001

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抄録

近年,日本の6年制薬学部を有する私立大学の中に,標準修業年限内での薬剤師国家試験合格率が低い大学があることが問題になっている.学習支援が必要な学生を早期に抽出するために,本研究では1~3年次成績データを使用し,標準修業年限内での薬剤師国家試験合否を予測するモデルをRandom Forestで構築した.Grade Point Average(GPA)を用いたモデルのGini係数の平均減少から3年後期の成績が予測に大きく影響することが明らかとなった.2015年度入学者の1~3年次GPAを用いたモデルによる2016年度および2017年度入学者の薬剤師国家試験合否予測のReceiver Operatorating Characteristic Area Under the Curve(ROC_AUC)はそれぞれ0.86,0.75,3年後期専門科目定期試験点数を用いたモデルのROC_AUCは0.80,0.74となった.2年前期専門科目定期試験点数を用いたモデルのROC_AUCは0.69,0.67となった.1~3年次GPAや3年後期の成績を用いたモデルで薬剤師国家試験合否予測をすることにより,学習支援が必要な学生を早期に抽出できることが示された.

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© 2025 日本薬学教育学会
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