近年の薬学入学希望者の過剰な受け入れを起因とした教育の質の低下が懸念されている.それを回避するため,教学マネジメントの見直しが推進されている.その見直し策の一つとして「教育成果の可視化」が挙げられる.しかし,その可視化の方法についてはあまり議論されていない.我々はその可視化方法として小テストと検索クエリを組み合わせたシステムを考案した.この論文では,このシステムを運用して得られた知見をまとめた.また,テキストマイニングデータを問題形式ごとに多変量解析した.その結果,問題形式ごとに検索対象が異なることや,検索頻度と正答率の関係性に違いがあることが示された.これら知見は,この検索クエリシステムおよびそこから可視化される学習成果を活用することで,講義内容の改善点が明確化されることが示唆される.我々のアイデアおよびその成果は薬学教育の質の確保への貢献が期待される.