薬剤師は臨床現場において感情労働をしている.薬剤師という仕事は,人員不足や労働時間,職場での同僚や上司からのサポート不足などを理由に精神的ストレスが溜まりやすく,燃え尽きになりやすい傾向にある.加えて,わが国の現行法制において,薬剤師は他職種と連携・協働しにくい状況にある.このような中でも,薬剤師は専門職責任を果たすため,集団的に自律し,一定のケアやサービスを提供していかなければならない.専門職のプロフェッショナリズムを保持し,持続可能な医療を実現するには,専門職の苦しみや葛藤を個人に帰属させるのではなく,感情労働にかかわる正しい知識の普及や専門職を守り,支える仕組みづくりを通して緩和していくことが必要であると考えらえる.また,保健医療福祉分野にかかわるすべての専門職がそれぞれの職能を十分に発揮できるよう,より調和のとれた法制度に再編していくことも必要であると考えられる.