2025 年 9 巻 論文ID: e09016
プロフェッショナリズムの基盤概念は専門職種と社会との「信頼」に基づく両者の互恵関係で説明される社会契約である.利他主義や共感なども従来よりプロフェッショナリズムの重要な要素として知られるが,患者や家族,他職種との人間関係や職場環境,社会的,法律的要素など多くの要因が複雑に絡む不確実で難しい医療現場の中で,医療者がプロフェッショナリズムを発揮し折り合いをつけるためには感情の管理,つまり感情労働が必要であり,そのような状況をそれと認識し,管理し対応できることもまた薬剤師に必要なプロフェッショナリズムなのではないかと考える.医師,とくに看護師の感情労働については多くの取り組みが行われているが薬剤師の感情労働についてはほとんど注目されていない.本シンポジウムでは,これまで薬学領域では議論されてこなかった感情労働という視点から,薬剤師のプロフェッショナリズについて考え,薬学教育への示唆ともしたい.