2025 年 9 巻 論文ID: e09025
近年,リアルワールドデータ(RWD)を活用したデータベース研究の重要性が高まっている.しかし,RWDの特性や限界を理解せずに研究に応用すると,誤った結果や不適切な医療判断を招く恐れがある.薬剤師がRWDを用いて臨床課題に即したエビデンスを正しく創出し実臨床に還元するためには,適切な教育を受けたうえで実施する必要がある.そのために,RWDの構造的理解,課題設定力,適切な研究デザインの構築力,結果の解釈と応用力を身につける教育が求められるが,これら教育は断片的に行うのではなく,これらが有機的に繋がった包括的な教育が不可欠である.本稿では,臨床現場でデータベース研究を推進するために必要な教育として,「特徴の理解」「課題の理解」「限界の理解」という三つの視点に基づいた薬学教育の在り方について論ずる.