2025 年 9 巻 論文ID: e09049
近年,医療ビッグデータの利活用への期待が高まり,それに伴い薬学教育においてもデータベース研究に関する教育が求められている.一方,その実践には前処理作業の煩雑さや疫学手法・プログラミング技術の習得ハードル,さらに臨床経験の不足といった複数の障壁が存在する.本総説では,これらの課題を整理した上で,その解決方法の一例として当分野の取り組みを紹介する.当分野では,①学生の興味・特性に応じた研究テーマ選択,②共同研究への参画による技術獲得,③社会人大学院生との協働による臨床感覚の醸成を行っている.これらの取り組みは,学部学生,社会人大学院生,指導教員の三者にメリットがあり,実際に,参加した学生の学会発表や論文投稿に至っている.これらの取り組みが,「データベース研究を臨床での武器とする教育」により,質の高い臨床薬剤師の養成につながることを期待する.