2025 年 9 巻 論文ID: e09031
生涯研修では個人の学修継続態度を評価するため,学修態度が受動的になりやすい.能動的学修態度を導くため,現状の能力を知り,到達目標までに必要な学修が把握できるよう,実務でのパフォーマンスを表すコンピテンシーの自己評価ルーブリックを開発し,妥当性を検証することを目的とした.自己評価ルーブリックの開発は,薬物治療評価および文献評価の能力獲得を目指すワークショップの認定指導者の協力を得て行った.ワークショップ参加者16名は自己評価ルーブリックにて,自己評価とルーブリック記述内容の認識度評価を行った.これらの評価と学修行動を解析した.自己評価は学修前後で正の変化を示した.自己評価および内容認識度の事後の伸び率と事前課題の完成度においては,半数以上で中程度以上の相関係数を示した.自己評価ルーブリックの妥当性および能動的な学修行動を促進するツールとしての有用性を概ね期待できる結果と考えた.