2025 年 9 巻 論文ID: e09057
本稿では,臨床ビッグデータや化合物データベースを “武器” として活用し,化学構造式を起点に基礎薬学と臨床薬学を往還的に結ぶ教育・研究の可能性を探った.筆者が展開してきた “化学構造式布教活動” では,化学構造式への一時的な興味を持たせることはできたものの,臨床現場での活用意識の定着には至らなかった.この課題を踏まえ,化学構造から得られた着想の有用性を明示するために臨床研究論文や医療・化合物データベースを活用した研究を展開した.本稿では,プロテアソーム阻害薬3剤の構造差に基づく不均衡解析や,臨床研究データからの着想によるドラッグリポジショニング研究の成果を紹介する.今後は,これらの医療・化学データベースを創薬・臨床研究のみならず薬学教育にも応用し,新たな橋渡し教育の形を模索していきたい.