2021 年 10 巻 2 号 p. 34-42
目的:高齢者の社会活動について,地域コミットメントを含めた関連要因を活動別に検討すること.
方法:地縁組織等に所属する65歳以上の625人の住民に無記名自記式質問紙調査を行い(有効回答率80.5%),社会活動を従属変数としてロジスティック回帰分析を行った.
結果:個人活動,社会参加・奉仕活動,学習活動の高得点群はいずれも地域コミットメント尺度の総得点が高いことと関連があった.また,個人活動は主観的健康感が高い,友人の数が多い,友人の誘いがあること,社会参加・奉仕活動は友人の数が多い,社会活動に良い認識がある,行政職員の誘いがあること,学習活動は,主観的健康感が高い,社会活動に良い認識がある,掲示板を閲覧することと関連があった.
考察:高齢者の社会活動の関連要因は活動別に異なり,各活動に適した支援をすること,特に地域コミットメントを向上することの有効性が示唆された.