日本公衆衛生看護学会誌
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研究
就業1年目保健師の家庭訪問能力の発達
―指導者の評価による縦断調査―
佐伯 和子水野 芳子平野 美千代本田 光
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2021 年 10 巻 2 号 p. 43-52

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抄録

目的:就業1年目保健師の家庭訪問能力の発達過程を明らかにした.

方法:指導保健師が新人保健師の家庭訪問能力36項目を1年間に3回の縦断調査で評価した.

結果:12か月後に各項目で自立レベルと評価された新人の割合の平均は37%であった.信頼関係構築の項目の評価は高く,総合的な判断の項目,近隣地域など複雑な要素の項目,家庭訪問の本質的意義の理解などの項目の評価は低かった.4か月後と12か月後の36項目の評価の相関は高かった.自立レベル割合は1年間で多くの項目に有意差があり,4か月後から8か月後の変化は大きく,12か月後へは緩やかだった.

考察:家庭訪問能力の発達は,項目により異なることを前提に指導をすること,項目の到達レベルは就業初期と1年後の相関が高いことから基礎教育での基本的な訪問技術の強化が示唆された.また,12か月後の到達レベルは要指導段階であり,2年目も継続した現任教育が必要である.

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