日本公衆衛生看護学会誌
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研究
地域在住高齢者の健康診査およびがん検診への受診行動に関連する要因
―健康診査やがん検診に関する情報入手の媒体に焦点をあてて―
石附 史帆山下 愛笹木 智香矢川 果南子本多 麻耶平野 美千代
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2022 年 11 巻 3 号 p. 152-162

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抄録

目的:健康診査やがん検診の情報を入手している情報媒体に焦点をあて,高齢者の健康診査,がん検診への受診行動(以下,受診行動)に関連する要因を明らかにする.

方法:65~84歳500名を対象に郵送による無記名自記式質問紙調査を行った.項目は,ヘルスビリーフモデルを参考に,受診行動の有無,健康診査・がん検診に関する情報入手の媒体等で構成した.分析は二項ロジスティック回帰分析を行った.

結果:有効回答数は264部であった.受診行動には,不安が軽減される(OR=4.68),健康診査・がん検診を受けることが面倒(OR=0.37),入院・通院しており必要ない(OR=0.43),情報入手の媒体では「役場・保健所」(OR=1.63)が有意に関連していた.

考察:高齢者の受診行動には,予防行動に対する利益の自覚が重要である.また,行政機関からの情報は,高齢者の情報への信頼につながり受診行動に結びつく可能性がある.

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© 2022 日本公衆衛生看護学会
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