日本公衆衛生看護学会誌
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活動報告
措置入院した精神障害者に退院後支援を行った保健師が認識した支援および支援体制の変化と課題
後迫 由衣松浦 幸重山下 十喜中谷 久恵
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2022 年 11 巻 3 号 p. 189-195

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抄録

目的:A県では2019年から「A県精神障害者の退院後支援に関するガイドライン」に基づき措置入院患者の退院後支援を実施している.目的は措置入院した精神障害者に退院後支援を行った保健師が認識した支援および支援体制の変化と課題を明らかにすることとした.

方法:A県保健所保健師10名を対象に半構造的個別面接を実施し,ガイドラインに基づく退院後支援により保健師が認識した支援および支援体制の変化と課題を検討した.

結果:【個別支援の機会の増加による支援の質と責任感の向上】【管轄地域や都道府県を越えた保健所連携の強化】等の変化があり,【同意が得られない本人への継続支援】【支援終了の判断基準と評価方法の不明確さ】等の課題が明らかになった.

考察:ガイドラインに基づく支援は,個別支援の質の向上や,支援が可視化されたことで連携が強化された一方で,評価方法の検討や同意を拒む本人への支援の必要性などが示唆された.

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