2022 年 11 巻 3 号 p. 179-188
目的:成人期の生活困窮者への保健師による支援内容を明らかにすることである.
方法:A県内の人口10万人以上の市に所属する保健師10人に,成人期の生活困窮者への支援内容についてインタビューによる半構造化面接を行い質的帰納的に分析した.
結果:10人の保健師から語られた16事例を分析した結果,保健師の支援内容として9カテゴリ,3コアカテゴリが生成され,その内容は『訪問により健康や生活を気遣い,支援の糸口とニーズを見出す』,『生活困窮者の障害や健康のリスクへの対応』,『地域生活の継続を目指した多様な支援チームづくり』であった.
考察:保健師は保健医療職の専門性を生かして,訪問で健康と生活を気遣い支援ニーズを見出し,障害や健康のリスクに対応すること,地域住民と協働し,縦割りの壁を越えた支援チームで地域生活の継続を支援することの重要性が示唆された.