目的:女性の生活保護受給者に対して福祉事務所の保健師が行う支援について記述する.
方法:4名の福祉事務所の保健師にインタビューを行い,質的記述的に分析した.
結果:『世帯の生活の安定を目指して伴走する』がコアカテゴリーとして,【味方であると認識してもらうような態度で接する】【世帯の貧困が子どもに及ぼすリスクを見越して見守る】【複数の問題への支援をコーディネートする中で,希薄であった社会との接点をつないでいく】【一番響くアプローチを探るために,生まれ育った背景からその人をとらえる】【スモールステップで「健康」に意識を向けるための関わりをする】【認められる経験が少ない対象者に肯定的な関わりをすることで自己肯定感を育む】がカテゴリーとして,抽出された.
考察:福祉事務所の保健師は,信頼関係の構築を図りながら対象者との社会的接点となり,健康という切り口から包括的に生活を支えていると考えられた.