日本公衆衛生看護学会誌
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研究
東日本大震災被災高齢者の生活再建過程におけるレジリエンスを促進する要素
榎本 晃子大木 幸子
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2023 年 12 巻 1 号 p. 29-38

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抄録

目的:被災高齢者が中長期にわたって生活を再建していく過程におけるレジリエンスを促進する要素を明らかにし,生活再建に向けての一貫した効果的な支援についての示唆を得る.

方法:被災によって住まいを喪失した65歳以上の住民22名に二次元レジリエンス要因尺度を用いた質問紙への回答ののち,半構成的面接を行った.

結果:住まいを喪失した被災高齢者が生活再建を進めていく力の基盤となるレジリエンスの促進要素は,【支え合う人と場がある】,【自分の中にある生きる力の源に気づく】,【自分らしい生活を送る】,【震災を経験した人生に意味を見出す】の4つであった.

考察:被災高齢者の生活再建過程におけるレジリエンスを促進する支援として,被災体験を語り,分かち合える場や機会の提供,日常性の回復,コミュニティの営みの回復のための支援,また,平常時においてはコミュニティへの関心を高めるための多様な機会の提供が求められる.

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© 2023 日本公衆衛生看護学会
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