2023 年 12 巻 3 号 p. 171-181
目的:保健師基礎教育における学校保健実習の実習指導経験のある養護教諭が捉える学校保健実習の実習意義,望ましいと考える実習依頼・調整・展開方法を明らかにする.
方法:学校保健実習の実習指導経験のある養護教諭12名を対象に,フォーカスグループインタビューを実施した.
結果:実習意義は,【支援対象である子どもの理解】,【学校と行政保健の連携・協働の促進】の2カテゴリー,実習依頼・調整・展開方法は,【学校保健実習の理解の支援】,【学生の準備状況の理解の支援】などの7カテゴリーが抽出された.
考察:養護教諭は,保健師基礎教育における学校保健実習について,自身が連携する専門職の実習としての意義を捉え,それを意図した実習を展開していた.養護教諭が望ましいと考える実習依頼・調整・展開方法には,養護実習を受け入れる養護教諭ならではのものがあり,その実現方法の検討が学校保健実習の導入と継続に不可欠と考えられた.