2024 年 13 巻 3 号 p. 225-233
目的:組織における統括的な役割の継承に向けた統括保健師の取り組みを明らかにする.
方法:過去1年以内に統括保健師の役割を担った8名の保健師に対し半構成的面接を行い,質的記述的に分析した.
結果:統括保健師は【統括保健師の役割が機能する地固め】を基盤とし,全ての【保健師が生き生きできる土壌の醸成】を図っていた.そして,将来を担う後輩保健師にとって統括保健師を考える手本となるよう【統括保健師として目指す姿の明示】をするとともに,次に統括保健師を担える人材を見極め【次期統括保健師を託す保健師の能力の見極めと働きかけ】をしていた.
考察:統括保健師は,次期統括保健師に対し組織内で役割を継承する仕組みをつくり,その仕組みを機能させていくために組織や人に合った方法を見極め,統括保健師としての実践を積み重ねていくことの必要性が示唆された.