2025 年 14 巻 2 号 p. 45-53
目的:内発的動機づけ尺度の日本語版を作成するとともに新任期保健師に適用可能かを検討する.
方法:内発的動機づけ尺度の中核的な側面3下位尺度21項目を翻訳,逆翻訳した.また,予備調査及び研究者間で検討することで,質問項目の内容的妥当性を確認した.次に,全国の500市町村の新任期保健師を対象に調査紙を郵送して回答を得た.得られた結果については,項目分析,信頼性・妥当性を確認するために探索的因子分析,確認的因子分析,既知集団妥当性,信頼性の検討を行った.
結果:324名を分析対象とした.分析の過程で9項目削除し,3因子,12項目の最適解を得た.Cronbachのαは全体で0.86,KMOが0.84(P<0.01),モデル適合度はRMSEA=0.09,GFI=0.91,AGFI=0.86,CFI=0.94であり,許容できる値と総合的に判断した.
考察:一連の分析結果から,本尺度の一定の信頼性,妥当性が確認された.新任期保健師教育の振り返り等の場面で活用できる可能性が示唆された.