2014 年 2 巻 1 号 p. 20-28
目的:健康寿命と地域保健活動およびその他の要因との関連について明らかにすることである.
方法:北海道の179市町村を対象とする2次資料を用いた生態学的研究を実施した.男女の各市町村の健康寿命を算出し,健康寿命と関連する要因を検討した.調査項目は,人口動態,社会経済的要因,保健医療環境,保健活動,保健師活動の5つのカテゴリーで設定した.男女別に,健康寿命と関連要因の相関分析を行い,最後に重回帰分析を行った.
結果:市町村全体と人口1.2万未満で男女共に保健師数が健康寿命を説明する要因となった.男性では悪性新生物死亡率とがん検診受診率が健康寿命と関連があった.女性においても,全ての人口区分で保健師活動が説明要因となった.
考察:男性では悪性新生物の早期発見・治療が健康寿命の延伸に関連する可能性が示唆された.女性では保健師活動が健康寿命の延伸に関連していることが示唆された.