日本公衆衛生看護学会誌
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研究
子ども虐待予防に向けた保健師の家庭訪問の支援による母親の変化
鈴木 浩子斉藤 恵美子
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2015 年 4 巻 1 号 p. 32-40

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抄録
目的:子どもへの虐待や不適切な養育が疑われる,またはその発生が心配される家庭に対する保健師の訪問による支援の結果から,母親にみられた変化を明らかにする.
方法:子どもへの虐待や不適切な養育が疑われる,またはその発生が心配される家庭を訪問している経験年数5年以上の自治体保健師9名に,訪問事例に関する半構造化面接を実施した.面接で語られた18事例を分析対象とし,逐語録から「支援により改善したと考えられる母親の変化」についての文脈を抽出,分析した.
結果:支援による母親の変化を分析した結果,《不適切な育児の改善》《育児に対するネガティブな思いの解消》《母親の身体的・精神的健康状態の改善》《地域サービスの利用とつながりの拡大》《保健師への信頼の深まり》の5カテゴリーを抽出した.
結論:保健師の支援により,母親の育児の改善や,地域サービスにつながり育児サポートの拡大などの変化がみられた.今後,母親の変化と虐待予防との関連を検討することが必要と考える.
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© 2015 日本公衆衛生看護学会
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