抄録
目的:20歳代女性のヘルスリテラシーとライフイベントおよび子宮頸がん検診受診行動との関連を明らかにする.
方法:20~30歳代の就労女性2,078人を対象に無記名式自記式質問紙調査を実施した.回収した1,233人(回収率59.3%) のうち20歳代女性729人を分析対象とし,ヘルスリテラシー尺度得点の中央値未満を低群 (以下低群),以上を高群(以下高群) とし,単変量解析を行った.
結果:低群は高群に比較し,高等学校卒業者,未婚者,妊娠歴がない者,検診受診歴がない者の割合が統計的に有意に多かった.ヘルスリテラシーを従属変数として年齢と学歴を調整した単変量解析の結果,婚姻歴有のオッズ比1.75(95%信頼区間1.09–2.82),妊娠歴有のオッズ比1.82(95%信頼区間1.07–3.11),検診受診歴有のオッズ比1.85(95%信頼区間1.36–2.51)であった.
結論:ライフイベントや検診受診行動を通じた看護職の働きかけがヘルスリテラシーを向上させる可能性がある.