日本公衆衛生看護学会誌
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研究
市町村保健師が精神保健分野の個別対応で抱える困難
飯島 清美子山口 忍渡辺 尚子綾部 明江
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2016 年 5 巻 2 号 p. 144-153

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抄録

目的:本研究は,市町村保健師が精神保健分野の個別対応で抱える困難を表す内容を明らかにし,実践への示唆を得る事を目的とする.

方法:市町村に勤務する保健師を対象に,半構造化面接法を用いてデータ収集を行い,質的記述的に分析した.

結果:8名の市町村保健師の協力が得られ,市町村保健師が精神保健分野の個別対応で抱える困難は,476のコード,45の小カテゴリー,11の中カテゴリー,4つの大カテゴリーが抽出された.市町村保健師は【当事者・家族への対応の難しさ】を感じ,社会資源の少なさや支援拒否,支援効果のわかりづらさから【当事者がもつ生活しづらさの改善の難しさ】があり,【市町村という立場での連携・組織体制構築の不足】や【支援の際に起こる保健師の感情コントロールの難しさ】でも困難を感じていた.

考察:市町村保健師自身は,精神保健分野の対応技術の獲得,否定的感情のコントロール,当事者理解を進めていく必要がある.

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© 2016 日本公衆衛生看護学会
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