日本公衆衛生看護学会誌
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研究
症状が進行しつつある在宅パーキンソン病療養者がとらえる生活の中の主体性
―生活に制限がみえ始めた時期に焦点をあてて―
山本 恵梨子平野 美千代
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2019 年 8 巻 1 号 p. 3-11

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抄録

目的:症状が進行しつつある在宅パーキンソン病(PD)療養者がとらえる生活の中での主体性を明らかにすることを目的とする.

方法:60歳以上でYahr II~III度の在宅PD療養者10名を対象に半構造化面接を実施し,質的記述的分析を行った.

結果:在宅PD療養者がとらえる生活の中での主体性は,【体が全く動かなくならないようできる範囲で予防する】,【症状の変動に制限される中で1日の生活を形づくる】,【家族の力を借りながら自分にできることをする】,【今の自分が送る普段通りの生活を続けたいと願う】,【PDの進行への不安や体のつらさにふたをして心を安定させる】,などの7カテゴリで構成し,主体性の中心として《未来の自分からは目をそらしPDから今ある生活と自分らしさを守る》ことがあった.

考察:PD療養者は自分らしさや今ある生活の維持を大切にしており,療養者の主体性はPDの進行から自分の生活を守ることであると示唆された.

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© 2019 日本公衆衛生看護学会
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