日本公衆衛生看護学会誌
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8 巻 , 1 号
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巻頭言
研究
  • ―生活に制限がみえ始めた時期に焦点をあてて―
    山本 恵梨子, 平野 美千代
    原稿種別: 研究
    2019 年 8 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/26
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    目的:症状が進行しつつある在宅パーキンソン病(PD)療養者がとらえる生活の中での主体性を明らかにすることを目的とする.

    方法:60歳以上でYahr II~III度の在宅PD療養者10名を対象に半構造化面接を実施し,質的記述的分析を行った.

    結果:在宅PD療養者がとらえる生活の中での主体性は,【体が全く動かなくならないようできる範囲で予防する】,【症状の変動に制限される中で1日の生活を形づくる】,【家族の力を借りながら自分にできることをする】,【今の自分が送る普段通りの生活を続けたいと願う】,【PDの進行への不安や体のつらさにふたをして心を安定させる】,などの7カテゴリで構成し,主体性の中心として《未来の自分からは目をそらしPDから今ある生活と自分らしさを守る》ことがあった.

    考察:PD療養者は自分らしさや今ある生活の維持を大切にしており,療養者の主体性はPDの進行から自分の生活を守ることであると示唆された.

  • ―文献の分析による概念化―
    岡本 玲子, 小出 恵子, 岩本 里織, 合田 加代子, 蔭山 正子, 塩見 美抄, 草野 恵美子, 時政 舞, 田中 美帆
    原稿種別: 研究
    2019 年 8 巻 1 号 p. 12-22
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/26
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    目的:本研究の目的は,公衆衛生看護が関わる地域の強み,即ち,地域の最良の健康というアウトカムに向けてポジティブヘルスを推進する地域の潜在力を概念化することである.

    方法:研究方法は,関連24文献から抽出した主題に関する記述内容の分析である.

    結果:【地域の強み】である[先行する住民の状態]として《歴史・風土への愛着》《文化継承・地域創造の信念》《全員大事の価値観》,[住民の状態]としては,《連帯・助け合い力》《パートナーシップ形成力》《資源発掘・活用力》《折り合い・統制力》《キャパシティ発展力》《意思決定・組織的推進力》が,[住民の周辺状況]としては《地区組織》《支援体制》《ネットワーク》が抽出された.地域の最良の健康に向けた過程には【気づき】,【結集】が抽出された.

    考察:結果から,公衆衛生看護が関わる地域の強みとして多様な概念が抽出された.今後,これらを高めるための効果的な支援方法を明確にしていく必要がある.

  • 田野中 恭子
    原稿種別: 研究
    2019 年 8 巻 1 号 p. 23-32
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/26
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    目的:精神疾患の親をもつ子どもの困難を示し年代別の特徴を明らかにする.

    方法:子どもの頃に精神疾患を患う親がいた10名の成人に対し半構造化面接を実施し,質的記述的研究によりカテゴリーを抽出した.

    結果:子どもの困難は全年代を通して【わけのわからぬまま親の症状をみるしかない生活】や【親の言動に振り回される精神的不安定さ】,【心許せる友達や安心できる場所のない苦しさ】,【我慢だけ強いられ周囲からも支援を受けられない苦しさ】があり,特に学童期から思春期にかけては【世話をされない苦しい生活】があり,青年期以降は【青年期以降に発達への支障を自覚する生きづらさ】が明らかになった.

    考察:子どもは精神面だけでなく生活面を含む困難を家庭内外にもっていた.支援として子どもの疾患理解を支援,生活支援,子どもとの関係づくりと気持ちの支え,青年期以降も支援,精神疾患に関する啓発活動が必要である.

  • ~エキスパート保健師による項目重要性認識を根拠に~
    岩本 里織, 岡本 玲子, 名原 壽子, 松下 恭子, 多田 美由貴, 岡久 玲子
    原稿種別: 研究
    2019 年 8 巻 1 号 p. 33-42
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/26
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    目的:エキスパート保健師による「生存権を護る活動」項目の内容妥当性を検証し,活動指標を作成することを目的とした.

    方法:対象は,全国から無作為抽出した保健所,市町村,看護系大学各100か所に勤務する主任以上の保健師および准教授・教授である.調査は郵送法による自記式質問紙調査を実施した.調査内容は,「生存権を護る活動」に関する活動項目(大項目11,小項目44で構成)の重要性を5段階で問うた.分析は,Lynnの内容妥当性の定量化の方法(Content Validity Index:CVI 0.78を妥当性の基準値とする)を参考とした.

    結果:分析対象数170(保健師154,教育者16)であった.CVI 0.78を下回ったのは,3小項目であった.

    考察:保健師の生存権を護る活動項目について,基準値を下回った3小項目を検討した結果,1小項目を削除し,大項目11,小項目43からなる活動指標を作成した.本指標は,保健師が,新たな健康被害・問題に気付いた時,活動推進のガイドとして活用可能である.

  • 林 真二
    原稿種別: 研究
    2019 年 8 巻 1 号 p. 43-51
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/26
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    目的:通所サービスに参加しなかった運動器の機能低下がある高齢者に対し,訪問による複合プログラムの効果を検討した.

    方法:対象者18人に運動器・口腔機能向上,栄養改善を併用した複合プログラムを訪問・電話により各4回実施した.介入前後・介入終了6ヵ月後に運動器機能や心理社会的側面等を評価した.

    結果:運動器機能は開眼片足立ち(P<0.01),立ち上がり(P<0.01),足指筋力(P<0.05),心理社会的側面は精神健康状態(P<0.01),主観的健康感(P<0.05),基本チェックリストは運動器,口腔,認知機能,うつ項目で介入後上昇した.基本チェックリストの評価より,プログラム参加者の運動器機能低下の該当者数は介入後に38.9%,介入終了6ヵ月後に50.0%に減少した.握力,反復唾液嚥下テスト,オーラルディアドコキネシス,BMI,ADLおよび外出に対する自己効力感は有意な変化がなかった.

    結論:運動器機能,精神健康状態,主観的健康感が維持・向上し,訪問による複合プログラムの効果があったと考えられる.

  • ―中学校教諭を対象とした横断研究―
    松原 智, 井上 幸子
    原稿種別: 研究
    2019 年 8 巻 1 号 p. 52-61
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/26
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    目的:中学校教諭の職場のソーシャルキャピタル(以下SC)と健康関連QOLの関連について検証する.

    方法:A県中学校の教諭692名に無記名自記式調査を行った.職場のSC尺度,SF-36v2,基本属性,勤務状況等を尋ね,郵送にて回収した.

    結果:欠損データを除き339名を解析対象とした.重回帰モデルで分析した結果,結合型,橋渡し型,リンキング型SCはいずれも精神的健康度(β=4.331, CI: 2.352–6.310; β=2.607, CI: 0.921–4.293; β=3.566, CI: 1.797–5.336),役割/社会的健康度(β=3.882, CI: 1.336–6.428; β=2.446, CI: 0.296–4.596; β=2.668, CI: 0.387–4.948)に有意に関連していた.身体的健康度には関連がなかった.

    結論:中学校教諭の職場の3つのSCを醸成することは,健康関連QOLを高める可能性がある.

第7回日本公衆衛生看護学会 学術集会会長講演
編集委員会報告
倫理委員会報告
第7回日本公衆衛生看護学会学術集会ワークショップ報告
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