日本公衆衛生看護学会誌
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研究
精神疾患を患う母親をもつ子どもの生活体験と病気の気づき
羽尾 和紗蔭山 正子
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2019 年 8 巻 3 号 p. 126-134

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抄録

【目的】精神疾患を患う親をもつ子の生活体験,親の病気への気づきと対処,および,子ども時代に必要であったと思う支援を記述することを目的とした.

【方法】20–50代の子6名にグループインタビューを行い,逐語録を質的記述的に分析した.

【結果】研究協力者の精神疾患を患う親は,全て母親であった.子ども時代には《家で落ち着けない》《睡眠に支障が出る》《経済的に困窮する》《学業や交友関係に支障が出る》《家事を手伝う》《親に情緒的ケアをする》《親に医療的ケアをする》などの生活体験をしていた.病気への気づきと対処として《他の家との比較で気づく》《親が病気だと知るが状況は変わらない》《親が病気と知り重荷になる》などのカテゴリー,子ども時代に必要であったと思う支援として《病気の説明》《積極的な介入》というカテゴリーが生成された.

【考察】子の生活体験は,親の精神疾患の影響を受けており,支援することで改善する可能性があると考えられた.

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© 2019 日本公衆衛生看護学会
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