目的:児童相談所(以下,児相)における保健師の対人支援活動の特徴および対人支援能力を具体的に明らかにすることを目的とした.
方法:児相経験保健師7人を対象に,個別の半構成インタビューを実施し,分析には計量テキスト分析と質的記述的分析を用いた.
結果:児相保健師の対人支援活動の特徴は,「保健師を意識して児相で活動する」,「個と地域をみて支援する」,「児相職員としてチームで活動する」の3つがあり,それらの活動には,ラダーに示されるアセスメント力,支援力,調整力を中心に,保健師の基本的能力としての倫理観・責任感,コミュニケーションや協調性・柔軟性,独創性・積極性・発進力,アイデンティティが基盤となっていた.
考察:実践能力の向上を視野に児相保健師の対人支援能力を捉えるには,アセスメント力,支援力,調整力のように能力を具体的に捉えること,そして基本的能力も含めた意図的な人材育成が重要である.