目的:吃音がある子どものために親が行う支援的関わりの中で親が抱く思いを明らかにする.
方法:吃音がある幼児期または学齢期の子どもをもつ父親および母親10名に半構成的面接を実施し,質的記述的方法によりカテゴリを生成した.
結果:9カテゴリが抽出され,親は子どもに対し【子ども自身が吃音に向き合うことを期待する】,【子どもが吃音による苦痛を抱えることが心配である】,【吃音による子どもの先行きが心配である】等の思いを抱き,親である自身に対し【子どもの吃音に責任を感じる】等の思いを有していた.そして周囲に対しては【吃音について知識のある専門家にそばにいてほしい】,【吃音の理解者がいることで安心できる】等と感じていた.
考察:子どもの最も近くで支援的に関わっている親は日常的に吃音による子どもの苦難を懸念していた.また吃音の症状は今後変化する可能性があるため,子どもの将来や吃音への向き合いに期待する思いが存在していた.