日本公衆衛生看護学会誌
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研究
家族介護者が捉える在宅認知症療養者の近隣住民との交流の実態とその関連要因
小島 さくら青柳 道子佐伯 和子
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2020 年 9 巻 3 号 p. 156-164

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抄録

目的:在宅認知症療養者と近隣住民の交流の実態および関連する要因を明らかにする.

方法:認知症療養者を自宅で介護している家族介護者または3年以内に自宅で介護していた家族介護者を対象に無記名自記式質問紙調査を行った.関連要因の分析はχ2検定,Fisherの直接確率検定を用いた.

結果:244名に配付し,回収数は118部,有効回答数は111部だった.近隣交流の程度は認知症発症に伴い44.1%が低下したが,49.5%は維持・上昇していた.認知症発症後の交流程度は,「家族構成」「発症前の交流程度」「介護者が認知症療養者に交流機会をもってほしいと思う」「介護者への近隣住民からのポジティブサポートの有無」「介護者の近隣住民からのネガティブサポートの有無」が有意に関連した.

考察:在宅認知症療養者が近隣交流を良好に保つためには,発症前からの近隣住民との関係性の構築や家族介護者と近隣住民の交流に対する理解が重要であると考えられる.

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© 2020 日本公衆衛生看護学会
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