2020 年 9 巻 3 号 p. 172-180
目的:新興住宅地に居住する向老期世代を対象とした“地域への愛着”を育むプログラムを開発することである.
方法:首都圏近郊のA市B地区に在住する50~69歳で参加申し込みがあった20名を対象に“地域への愛着”を育むプログラムを実施した.プログラムの評価は,地域への愛着尺度を含むアンケートをプログラム実施前と直後,終了後1・3・6か月後の計5回実施し,尺度得点の変化を量的に分析した.また,グループインタビューとアンケートの自由記載は質的に分析した.
結果:地域への愛着尺度全体の平均得点は,プログラム直前に比べ直後・3か月後・6か月後の得点が有意に高くなった.参加者の気持ちは,地域や人々とのつながりの希求から,地域への貢献を望むことへと変化していた.
考察:“地域への愛着”を育むプログラムは,健康づくりに資する参加者同士のつながりを醸成し,地域活動への関心や参加を促進することにつながった.