抄録
生物的エリシター1種と非生物的エリシター2種を用いて, イネ培養細胞からのエリシター応答発光の特性を調査した. これらの発光強度や時間的推移はエリシターの種類や濃度により異なったが, エリシター毎に特徴的な発光パターンを示した. 抵抗性誘導物質であるASMの前処理によるエリシター応答発光の増強程度は, エリシター処理濃度が低濃度ほど高かった. 各種抵抗性誘導物質の前処理によるエリシター応答発光の増強程度は抵抗性誘導物質の種類により異なったが, プライミング効果は塩化銅 (II) の一部を除いた全ての抵抗性誘導物質とエリシターの組み合わせで見られたことから, 本現象はエリシターにある程度共通した現象であると考えられた. 本現象の利用による抵抗性誘導剤の新規なスクリーニング方法が期待される.