2024 年 90 巻 2 号 p. 79-86
キャベツに農薬を散布する際,生産現場で行われている竿固定散布と竿振り散布について,薬液の付着と菌核病に対する発病抑制効果を比較した.散布薬剤には保護殺菌剤であるイプロジオン水和剤を用いた.その結果,感水紙による薬液付着状況調査では,竿固定散布のほうが竿振り散布より被覆面積割合が高かった.両散布方法ともに菌核病に対する発病抑制効果が認められ,竿固定散布での発病株割合は竿振り散布の約1/2にまで少なくなることが示された.これらのことから,キャベツ菌核病を対象に薬剤散布を行う場合,竿振り散布より竿固定散布のほうが適していることが明らかとなった.