キャベツに農薬を散布する際,生産現場で行われている竿固定散布と竿振り散布について,薬液の付着と菌核病に対する発病抑制効果を比較した.散布薬剤には保護殺菌剤であるイプロジオン水和剤を用いた.その結果,感水紙による薬液付着状況調査では,竿固定散布のほうが竿振り散布より被覆面積割合が高かった.両散布方法ともに菌核病に対する発病抑制効果が認められ,竿固定散布での発病株割合は竿振り散布の約1/2にまで少なくなることが示された.これらのことから,キャベツ菌核病を対象に薬剤散布を行う場合,竿振り散布より竿固定散布のほうが適していることが明らかとなった.
酸性電解水には高い殺菌力があり,作物に対して浸漬や噴霧処理することによって病害を抑制できることが知られている.本研究では,高湿度で保管すると発病しやすいバラ切り花の灰色かび病に対する通風気化した微酸性電解水(SAEW)の処理効果について調査した.通風気化したSAEWは,遊離有効塩素(FAC)量が少なくとも10,000 μg/m2以上で,花弁に付着させた状態の灰色かび病菌の分生子の発芽と切り花の発病を抑制した.また,SAEWの通風気化処理は,実用化を想定し切り花を市場で保管・運搬時に用いているバケットに密の状態でまとめて処理してもFAC到達量20,000 μg/m2であれば明瞭な病害抑制効果を示した.加えて,通風気化したSAEWは灰色かび病菌が自然付着している切り花の発病も抑制することを確認した.SAEWの通風気化処理はバラ切り花を濡らさずに,灰色かび病を予防する技術として実用できる可能性が示された.
Conventional methods to detect the fungus Diaporthe destruens, which causes foot rot of sweet potato, are time-consuming and often inconclusive. Here we designed specific primers for the histone H3 gene of D. destruens to use for direct PCR using conidia for rapid, specific detection of the pathogen.