日本植物病理学会報
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稲胡麻葉枯病に関する研究XII
Azo色素の病原菌代謝に及ぼす影響
赤井 重恭安盛 博
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1954 年 19 巻 1-2 号 p. 11-14

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抄録
1. 本実験に於てはAzo色素が稲胡麻葉枯病菌の代謝に及ぼす影響を観察した。
2. 色素 (congored 及び chlysoidin) を添加した液体培養基に於て, 色素濃度が低い場合には菌糸発育は寧ろ標準区に比較して良好となるが, 夫に伴つて glucose 及び nitrate の吸収も亦増加する。然るに高濃度添加の場合には菌糸の発育は低下し, glucse 及び nitrate の消費も亦標準区に比して悪い。而してこれ等 glucose 及び nitrate の消費効果は高濃度添加程悪い。即ち1gの菌体を得るのに, 多量の栄養物質を消費している。
3. 供試菌菌糸の呼吸作用, 即ち呼吸率QCO2は色素を高濃度に添加した場合に高くなる。
4. Azo色素を含んだ培養基上の胡麻葉枯病菌分生胞子の水稲侵害力は標準区に比して減退する。
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