日本植物病理学会報
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小麦赤銹病菌夏胞子の低温に対する抵抗力
赤井 重恭
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1954 年 19 巻 1-2 号 p. 15-17

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抄録
1. 本実験に於ては5月中, 下旬野外で採集した小麦赤銹病菌夏胞子の低温に対する抵抗力に就いて2, 3の実験を行つた。
2. 被害葉上の夏胞子を採集後1日目に, そのまま室温から-10°Cの冷蔵器に納めてその抵抗力を試験したが, 発芽力は冷蔵後1日で急激に減少し, 約60日後には殆んど発芽力を喪失した。
3. 殺菌蒸溜水で懸濁した夏胞子を冷蔵した場合には, 胞子は凍結による影響によつて, 葉上の胞子の場合よりも稍々早く死滅するようであるが, 余り明かな差が得られなかつた。
4. 被害葉をそのまま+4°Cに7日間保存した後, 凍結試験を行つたところ, その低温抵抗力は著しく増大した。
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